『ドームがたり』

【今日の一冊】

『ドームがたり』

アーサー・ビナード作/スズキ コージ絵 玉川大学出版部

広島に100年以上建っているドームの辿ってきた運命は、周知のことかと思います。今は原爆ドームと言われています。

建築家の丹下健三は、広島平和記念公園を設計しましたが、慰霊碑を中心に、直線上に原爆ドームを臨むようにしました。ドームも敢えて中心に据えたのだそうです。

先人達もひとつのモニュメントが語る、かたりを感じていたのでしょう。

『ドームがたり』では、ドーム建立から1945年8月6日の朝を経て、現在までを、そして未来をも静かに優しくドーム自身が語っています。

また今開催中の「世界をつなぐ子どもの本」2018年アンデルセン賞・IBBYオナーリスト図書展(@国際子ども図書館 9/8まで開催)で、日本のイラストレーション部門作品として展示されており、中でも際立ってました。

アーサー・ビナード氏の思いのこもった文とスズキコージ氏が100年のドームの変遷を親しみやすく丁寧に描いた絵が、来訪者に静かに語りかけていました。

大切に読んでいきたい一冊です。

(write:ありょうん)

🔸展覧会情報

「世界をつなぐ子どもの本」 @国際子ども図書館 (8/6~9/8)

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